【まちのイバダイ】アドミッションセンター長の熱いプレゼン&在学生たちのトークセッション
3月25日~4月4日の11日間にわたって開催している「茨城大学水戸市街地アウトリーチ週間〈まちのイバダイ〉」。
3月26日は水戸市民会館で「茨大をプレゼン!大学での学びがわかるトーク」を開催。柴原宏一アドミッションセンター長による熱いプレゼンテーションのあと、3人の在学生も加わり、大学での学びについて語りました。
本物に触れる機会を提供する責任が大学にはある
柴原センター長はまず、「高校までは授業で聞いたことを覚え、テストを受けて丸をもらう。でも大学はそうではありません。基礎知識は必要ですが、基本的には自分でやりたいことをやる。大学は『研究』が主。研究者が授業をしているんです」と、高校と大学の学びの違いを強調。地質時代名「チバニアン」の登場に貢献した理学部の岡田誠教授や、マヤ文明の研究の第一人者である青山和夫教授などを紹介し、「世界的に有名な研究をしている先生たちが、食堂で学生たちと食事をしている。これが大学です」と語りました。
そのため、「自分はこれをしたい」という期待をもって大学を選ぶことが大事だと言います。「何をしたいかがわからないのは、経験がまだ少ない分、当然だと思います」と理解を示しつつも、「でも、漠然としていても良いからライフプランを持っておくことが大事です。ポイントは直感。『好き』には必ず理由がある。自分の直感を信じて学部、大学を選んでください」と呼びかけました。
さらに、現在の急速な人口減少とAIの発達を見通したとき、「理系?文系はもはや関係なくなります。一つの学部でできている素晴らしい大学もある一方、茨城大学は総合大学で、複数の学部の人たちが集まり、みんなで問題を解決できます」と話し、分野横断的な学びができる「プラスI(アイ)プログラム」や、学内外で主体的な学修活動を展開できる「iOP」といった、茨城大学の教育プログラムの特徴を紹介しました。
柴原センター長は、「みなさんは可能性のかたまり。それまでとは変わった環境に行ってはじめて、『自分にはこういうことができるのか』と気付きます。大学には本物に接触する機会、時間、場所を提供する責任があり、それを使うのはみなさんです。ぜひつかみとってください」と呼びかけました。
在学生3人のトークセッション
後半は3人の在学生を交えたトークセッション。今回参加してくれたのは、理工学研究科博士前期課程1年の川口正斗さん、教育学部3年の関涼華さん、農学部2年の飯村旺我さんです。
理工学研究科の川口さんは、都市システム工学専攻で地盤力学を研究中。このイベントの1か月ほど前、CeePs(シープス)という学生団体の一員として、フィリピンの生活環境が整わないスラム地区に滞在し、井戸を掘るボランティアを行ってきたそう。「もともと海外留学をしたかったけれど、お金がかかるため諦めていたんです。そんな中、企業の協賛により無料で参加できるこのボランティアを知り、エントリーしました」という川口さん。「参加した学生たちは、現地を去るとき、名残惜しさと安心感がないまぜになった複雑な気持ちになりました。電気も水道もない過酷な生活をしている人たちがいることを常に心に留めておく必要がある、そう、世界を見る目が変わりました」と振り返りました。
また、土木という自分自身の研究分野を活かして、海外で具体的な貢献ができたというのも大きな経験になった様子。「研究は続けているうちにどんどん好きになります。しっかりと目標を立てれば、それがモチベーションになります」と、川口さんは高校生たちにアドバイスを送りました。
教育学部の関さんの所属は英語選修。当初は教師以外のキャリアに関心があったそうですが、教育実習を経て、「やっぱり教員をやろう」と決心がついたと言います。「最初はあまり反応してくれなかった児童?生徒が、その子の興味関心に寄せて導入を工夫した授業をしたら、積極的に質問をしてくれたんです。それが楽しいと思ったんです」。
そんな関さんだからこそ、在学中は、教育学部の英語選修の科目だけでなく、大学が提供する機会を活かした多様な学びに挑戦しました。「プラスI(アイ)プログラム」のひとつである日本語教員養成プログラムの履修もそのひとつ。さらにベトナムの短期留学に参加し、現地の学校において、日本語教員養成プログラムで学んだことを実際に実践するチャンスにも恵まれたと言います。その他にもiOPでは5つもの活動を展開したという、バイタリティ溢れる関さん。「不自由に感じることもいろいろあるかもしれないけれど、行動を起こせば本当にいろいろなことができるのが大学です」と呼びかけました。
実家が農家で、「幼稚園生のときは農業機械の絵ばかり描いていた」という飯村さんは、多くの人たちの記憶に残るような農家になりたいという夢をもち、キャリアの計画を立てていたそうです。第一志望の茨城大学農学部に入学するためにはどうするかを第一に考え、学校推薦型選抜で合格。「経験と勘で肥料をまいてお米を育てるだけでなくて、しっかりとした根拠をもって農業に取り組みたい」として、これからいよいよ本格化する研究生活に期待を抱きます。
あわせて、農業の後継者不足の問題にも触れ、「いろんな人を巻き込んで農業をやっていきたい」と意気込みを語った飯村さん。その想いを胸に、地域の様々なイベントを訪れてネットワークを広げ、現在は笠間市での「ざつだん交流会」というコミュニティの運営や、鹿行地域での朝市の活動など、まちづくりの活動にも積極的に携わっています。「時間は結構あっという間に過ぎてしまいます。大学生の間にも、いろんな場所に行き、いろんな人に出会い、知識を吸収してほしいです」と語っていました。
後半の質疑応答では、参加している高校生たちから、「入試に向けた準備の中で、一番後押ししてくれたものは何ですか?」「おすすめの英語の勉強法は?」「大学に入る前に、もっとこれをやっておいた方がよかったと思うことは?」といった質問があった他、大学生たちから高校生へも「逆質問」するなど、よい交流ができました。トーク後も会場内のあちらこちらで談笑が続くなど、イベントは終始和やかな雰囲気で進みました。
みなさんのご参加ありがとうございました!