【まちのイバダイ】レポート 4/2「ごぼうもちを作ろう」編
3月25日~4月4日の11日間にわたって開催している「茨城大学水戸市街地アウトリーチ週間〈まちのイバダイ〉」。
今回は4/2に水戸市国際交流センター(水戸市備前町)の調理室で開催した「江戸時代の料理人体験!ごぼうもちを作ろう~食菜録復元からの挑戦~」の模様をお届けします。多様な年代の方に参加いただき、江戸時代のレシピを再現。みんなで作り、おいしくいただきながら、「水戸名物」としての可能性を探りました。
江戸時代の料理人体験!ごぼうもちを作ろう~食菜録復元からの挑戦~(4/2@水戸市国際交流センター)
「食菜録」という名前を聞いたことがありますか?幕末期の水戸藩主?徳川斉昭が編さんしたと言われる江戸時代の料理本です。当時食されていた料理のレシピが約300種掲載されており、今では食べたことも聞いたことがないような料理もたくさんあります。
あるとき茨城大学の図書館でこの本を見つけ、興味をもったのが、人文社会科学部の荒木雅也教授。荒木教授は商法や知的財産の専門家として、「松阪牛」のように地名がついた食材や料理の権利に関するガイドライン策定などに関わっており、「水戸でも新たな食の名産を」という思いをかねがねもっていました。そこで歴史の研究者や調理学校の方々にも呼びかけ、「水戸食菜録研究会」を立ち上げ、レシピの復元や記録?発信に取り組んでいます。
今回はその水戸食菜録研究会との連携企画として、参加者のみなさんと一緒に「ごぼうもち」というレシピの復元に挑戦しながら、地域の活性化のためのアピールや活用の方法について話し合いました。
今回は、荒木教授は残念ながら欠席。「食菜録」についての詳しいお話は、「まちのイバダイ」としては「M+itoshi建築まちあるき」以来2回目の登場となる、弘道館の学芸員?瀬戸さんに担当いただきました。斉昭は弘道館の中に医学館もつくるなど、医薬の分野にも強い関心をもっていたそう。「その観点から『食菜録』の編さんを手がけたのかもしれません」と瀬戸さん。そしてレシピの復元にあたっては、「当時の野菜は今とは味が全然違う。ごぼうもにんじんも今の方が甘い。それも頭に入れつつ、現代にどうよみがえらせるかを一緒に楽しんでいただければ」と語りました。
今回、調理の指導をいただいたのは、中川学園調理専門学校の真嶋先生をはじめとするみなさん。参加者のみなさんが時間内に取り組みやすい段取りづくりと、ユーモア溢れる語り口のおかげで、楽しい時間になりました。
まずはごぼうを茹でることから始まります。手でぎゅっと押してつぶれるぐらいの軟らかさになるまで。「皮にごぼうの風味がありますから、皮はぜひ剥かずに使ってください」と真嶋先生。食菜録では、軟らかくなったごぼうを手で割くように細かくすると記されていますが、今回は包丁でみじん切りにしました。
みじん切りしたごぼう200グラムと、餅粉?米粉をそれぞれ1カップずつ混ぜて、水を入れながら混ぜて生地をつくります。シンプル!耳たぶぐらいの硬さになったら、20グラムずつぐらいの団子にして、ちょっとつぶします。
あとはフライパンに多めの油を入れて、ほんのりきつね色になるまで焼くだけ!
食菜録によれば、そのあと砂糖水のシロップに一晩浸します。そう、シロップの甘みとごぼうの風味が合わさって、天然素材のおやつになります。
さあ、今度は参加者が調理に挑戦です!
こちらは高校の社会の先生たち。「社会部」という部活があるそうで、その活動のヒントになれば......と思い、参加してくださったそう。そんな先生たちって素敵!
こちらのお三方は初対面。でも息がぴったりでした。
こちらは、市外の高校から参加してくれた高校生3人組+先生。なかなかいい手つきでした!
完成したら、お楽しみの試食タイム。いかがですか?
うまい!揚げたてもいける!
アレンジもいろいろ考えています。きなこと黒蜜なんてどうですか?みたらしもいいですね。揚げたてに塩をまぶしたらお酒のつまみにも良さそうです。
......みたいな話を参加者全員で最後に語り合いました。いつか「水戸名物ごぼうもち」が、水戸を訪れた観光客のみなさんの定番フードになるかもしれません。
ご参加&ご協力をいただいたみなさん、ありがとうございました!